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わたしと女子プロレス 3

7月26日のスターダムの興行で、再度宝城カイリと対戦した里村選手は、見事勝利してスターダムの赤いベルトの6代目王者となった。

スターダムの観戦も二度目で、知っている選手も増えてきた。
わたしはなかなか人の顔や名前を覚えられないので、
その日の対戦カードと勝敗を「仙女ノート」(里村選手の主催しているセンダイガールズという団体は、通称「仙女」と呼ばれています)を作って、それにメモするようになった。

この日、初めて観た選手は、まず中学生になりたてホヤホヤのレスラー・あずみ選手。

体格は完全に子供なのだが、小さい分、身体が本当に軽く、気持ちのいいくらいポンポン飛ぶし、動く。
「今日出てる奴、ババアばっかだな!」と13歳のあずみ選手にディスられると(女子プロでは「おばさん」とか「ババア」とか、年齢をディスるのは定番のようなのだが、さすがに13歳に言われても……w)ちょっと面白くて笑ってしまった。

そして、9月に引退を控えた紫雷美央選手。
紫雷美央選手は、スターダムを支える柱のひとつである紫雷イオ選手の実の姉である。
この日は二人のラストタッグマッチだった。
紫雷美央選手は、かなりルックスに華のある選手で、ゾクッとするような色気があり、
いったいどんな試合をするのだろうと楽しみだったが、
引退を考えた理由のひとつに、怪我などで身体が本調子でないこともあったのか、
(その後、結婚も発表されました。おめでとうございます)
あまりリングに上がらず、活躍が見れなくて残念だった。
久しぶりの姉妹タッグに会場は湧いていて、
もっといい時期には、いい試合もしていたのだろうと思えて、
それが観れなかったのが残念だった。

そして、メインマッチで里村明衣子選手がスターダムのベルトを奪った。
スターダムの選手にとっては、他の団体の選手にベルトを奪われるというのは、
大きな屈辱であるに違いないけれど、
実力から言って、里村選手が来てしまったら、奪われてしまうよな、というふうに見えたし、
だからこそ、それでも果敢にベルトと守ろうとする宝城カイリ選手の粘りもまぶしかった。

勝利したあとのマイクパフォーマンスで、里村選手はこう言った。

「3年越しにベルトを巻くことができました。里村、ちょっと遅いですが、咲いてきましたよ。これから、スターダムだけじゃなくて女子プロレス界をもっと輝かせていきますので。
これは、私の役目です」

里村選手は、たぶん、あんまりマイクパフォーマンスが上手な選手ではないと思う。
ルックスが派手で若く、アイドル的な側面を持つスターダムの選手のこなれたパフォーマンスや語りに比べると、里村選手の言葉は、不器用なほうだ。
だけど、だから、言葉が重い。
だから、背中で、全身で語るものが大きい。
「これは、私の役目です」。
飾らない言葉で、ちょっとはにかんだところを隠すようにして「里村、咲いてきましたよ」と言う里村選手の姿を見て、
満足したわたしたちは、胸がいっぱいのまま、日も暮れないうちから水道橋でビールを飲んだ。
赤いベルトは、里村選手にとても似合っていた。

帰りに、知り合いに教えてもらったプロレス専門ショップ「闘道館」で、里村選手のインタビューが載っている雑誌を片っ端から買った。
ネットのオークションに出てる雑誌で、里村選手が載ってるとわかるものもいくつか落札し、「ガイアガールズ」のDVDも買った。
どのインタビューでも、映像でも、里村選手にはぶれやごまかしが全然なかった。いつも率直で、嘘がないと感じた。
「ガイアガールズ」には、新人時代の里村選手が出ているが、

その若さですら「雑念とか、ないんですか!?」というくらい、まっすぐなのだ。
そのまっすぐさが、もともとの魅力なのだろうけど、
いまの魅力は、もっと大きく、深みのあるものに思えて、
きっといろんなことがあったのだろうな、と漠然と想像するだけだった。

センダイガールズプロレスリング主催の新宿FACE大会が、わずか4日後に迫っていた。
わたしは最前列のチケットを買っていた。


※11月12日に後楽園ホールで、センダイガールズ主催の大会があります。もちろん他の地域でも試合が行われていますので、こちらからどうぞ↓

www.sendaigirls.jp