生きているというのは、

悲鳴と沈黙を繰り返すようなことだ。
内側で静寂と絶叫が繰り返されているあいだ、
外側で絶え間なく、さざ波のようなおしゃべりが起きていて、
そのおしゃべりのさざめきが、
きーんという耳鳴りの世界から、ふと自分を連れ戻してくれる。

自分の外側のへりの部分を波型にかがり、
せわしなく刺繍をほどこしていくおしゃべりが、
不意に内側まで針を刺してくることがある。
痛いこともあれば、そのおかげで、
悪い血が出ていくようなこともある。

自分の外側には、友人たちの手により、
丁寧に刺繍を施されたレースのへりがついていて、
そのへりには、ときどき、血がにじんでいる。

時が経ち、酸化して、
紅茶の濃淡のような色合いになったレースが、
自分の外側についているといい。
装飾品はそれだけでいい。